冷たい水がしみる原因は知覚過敏?虫歯や歯周病との違いと予防方法

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虫歯になっていないのに健康な歯が痛むときは、「知覚過敏」の可能性があります。知覚過敏は冷たいものなどが刺激となって歯の奥に伝わり、痛みのように感じられる現象です。

歯の痛みのなかでも一般的な症状として知られており、虫歯・歯周病と混同しやすいため注意が必要です。

ここでは、冷たい水が歯にしみる原因について、虫歯や歯周病との違いを中心に紹介しています。知覚過敏について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

冷たい水が歯にしみる原因

冷たい水を飲んだとき、歯がキーンとしみたことはありませんか?歯がしみる原因は、「虫歯」「歯周病」「知覚過敏」の3つが挙げられます。

虫歯と歯周病はどちらも口腔内で細菌が引き起こしているトラブルで、知覚過敏は歯の強度や過去の歯科治療、事故が原因で起こることがあります。ここからは3つのトラブルについて、主な症状・原因・対処法・予防方法を確認していきましょう。

 

虫歯

虫歯は、ミュータンス菌などのミュータンスレンサ球菌、アクチノミセス属の細菌など複数の種類の細菌が糖分を分解して酸を放出し、酸が歯を溶かしていく症状です。歯が溶けてくると2層からなる防御が崩れ、奥にある歯髄に達すると歯には穴が空き、歯としての機能が失われていきます。

歯の表面はエナメル質で覆われていますが、その下の象牙質は歯髄とつながっているため刺激を伝えます。象牙質が一部でも露出していると、冷たいものが刺激として伝わり痛みを感じます。

 

主な症状

虫歯にはエナメル質が溶け出したところから神経まで侵された状態まで、5段階に分けて進行します。歯が溶けてくると象牙質が露出し、象牙質は刺激をダイレクトに感じるため、冷たい水を飲むとキーンとした痛みとなって伝わります。

虫歯自体にも痛みを伴い、はじめは痛みかどうか知覚しにくいところから徐々にズキズキとした痛みが強くなり常態化。冷たいものを口にしなくても、痛んだり腫れたりといった症状が現れてきます。

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原因

虫歯は、口の中がpH5.5以下の酸性に傾いた際に歯が溶けることと、虫歯菌の繁殖の2つが原因で引き起こされるトラブルです。

虫歯菌自体は常在菌のため、糖質が多い環境下で活発に活動します、食べ物や飲み物を口にしてから口腔内を清潔にしないまま口の中を酸性にしておくと、それだけでも虫歯菌に関わらずエナメル質が溶けやすくなるため、虫歯菌の活動とは分けて考えなくてはなりません。

もちろん糖質を摂りすぎると虫歯菌のえさが常にある状態ですから、菌が繁殖して虫歯の進行を促してしまいます。

 

対処法

虫歯による歯の痛みは、すぐにかかりつけの歯科で検査・治療を受けましょう。しみている箇所はすでに象牙質まで虫歯が進行しているため、虫歯部分を取り除いてきれいに殺菌し、詰め物をする必要があります。

虫歯にかかってしまった部分は、元に戻すことができません。そのまま放置してしまうと神経まで汚染され、歯を失う可能性もあります。症状が軽いうちに早期発見・早期治療で痛みを取り除くことが大切です。

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予防方法

糖質を含む食べ物や飲み物の摂りすぎに注意し、摂取する場合は飲食のあとにうがい(マウスウォッシュ)をしっかりと行い、口腔内に細菌のえさとなる糖分を残さないようにします。歯みがき、デンタルフロスを含めたケアもこまめに行いましょう

口の中はだ液によって酸性の状態が中和されますが、長時間だ液が出づらい就寝中は虫歯菌の活動が活発になるため、必ず歯みがきとデンタルケアをしてから眠りにつくようにしましょう。

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歯周病

歯周病は、歯周病菌と呼ばれる細菌が起こす炎症性の感染症です。トレポネーマ・プロフィロモナス・ジンジバーリスなどいくつかの細菌が歯と歯のあいだや歯周ポケット、歯肉部分に歯垢などとともに停滞し、時間とともに数を増やしていきます。

嫌気性菌である彼らは、酸素のある場所を嫌います。代わりに酸素の無い所へと移動しようと、歯肉を攻撃して体の内部に侵入を開始します。

ここで体の免疫機能が反応し、菌を退治しようとして炎症を起こし、「歯肉炎」として出血や腫れが発生。歯周ポケットまで嫌気性菌が潜り込んでくると、この歯肉炎が慢性化して「歯周病」となります。

 

主な症状

歯周病は虫歯よりも顕著に出血腫れという見た目のトラブルが現れます。しかし虫歯ほどの痛みらしい痛みがなく、出血や腫れに気づけなければ見逃してしまう症状でもあります。

歯周病は、知覚過敏のように「冷たいものにだけしみる」というわけではありません。歯ブラシが触れただけでも痛く感じ、すぐに嫌気性菌によって攻撃された歯ぐきの一部分が赤く(または白く)なり、周囲の歯ぐきよりも盛り上がって見えます。重度になると歯のぐらつきを生じ、虫歯など他の細菌による症状も現れてきます。

 

原因

歯周病の原因は、歯と歯のあいだに存在する歯垢(プラーク)を放置したために、プラークの中の細菌が増えすぎることです。

プラーク内の細菌はもともと嫌気性のため、酸素のない場所が豊富であるほど長生きできます。歯みがきが不十分であり、歯垢が常にある状態は歯周病菌にとって繁殖しやすい環境です。

また、歯ぐきにできた深いすき間・歯周ポケットをそのままにしておくことも、嫌気性菌に住み家を提供してしまうため歯周病の原因になります。

 

対処法

歯周病や歯肉炎は、放置していると歯のぐらつきの原因になります。歯をしっかりと支える機能を失い、健康な歯が脱落してしまうほか、隣り合っている歯肉にも歯周病菌が移動するため、歯垢の除去と歯ぐきや歯周ポケット内の細菌の除去を行い、膿んでいる箇所は膿をしっかりと取り出さなければなりません。

嫌気性細菌のため、歯肉から出血を起こしたときはまず歯ぐきの状態を歯科医師にチェックしてもらい、出血のある場所は歯垢も含めて清潔にします。

 

予防方法

歯周病の予防は、歯ぐきまわりへの丁寧なケアがもっとも大切です。食後はなるべく早くに口の中を清潔にし、食べかすの詰まりが気になる場合は詰まりにくい(飲み込みやすい)ものを口にする、口の中を常に潤しておく方法もおすすめです。

虫歯よりも見逃されやすい症状ですが、体に細菌が入り込んでいることを教えてくれるサインです。冷たいものがしみる、出血や腫れがある場合は歯科医院を受診し、歯垢をしっかりと取り除いて歯ぐきを引き締めるように心掛けてみてください。

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知覚過敏

知覚過敏は、特に虫歯などの問題がなくても健康な歯が冷たいものによってしみてしまう症状です。刺激が強いため虫歯と誤解しやすいのですが、しみた瞬間の痛みは一過性のもので、虫歯のようにズキズキと継続するものではありません。

知覚過敏は誰もがなりうる症状であり、冷たいもの以外では温かい(熱い)もの、歯ブラシによるブラッシングや甘い食べ物・飲み物も刺激として伝わりやすく、硬いものを噛むと、噛み方や噛み合わせによっては痛みが現れる場合があります。

 

主な症状

知覚過敏になると、冷たいものや噛んだときの刺激によってキーンとした痛みを感じます。虫歯のズキズキとした感じではなく、あくまでも瞬間的な痛みです。

ずっと口の中に冷たいものを含んでいなければ10秒前後で収まる痛みですが、虫歯のように削って対処できる症状ではないため、知覚過敏専用のケアを行わなければなりません。

人によっては瞬間的な痛みでも耐えがたい場合があり、知覚過敏専用のケアを行わないかぎり症状が継続する点が症状の特徴といえます。

 

原因

知覚過敏の原因は「(虫歯によらない)象牙質の露出」「歯の削りすぎ」「歯の破折」「歯のすり減り」「歯が溶けている状態」などが挙げられます。治療による削りすぎ、または事故やかみ合わせによる破折やすり減りなど、人為的または自然発生的な原因で象牙質が露出すると、知覚過敏を引き起こします

象牙質は歯を覆う第2層の組織です。加齢・歯周病による歯肉退縮・ブラッシングによる歯肉退縮・エナメル質形成不全などさまざまな原因で象牙質が露出すると、組織の中の象牙細管から刺激が歯髄に伝わり、痛みを感じます。

 

対処法

歯肉退縮を起こしている方は、それ以上象牙質が露出しないようにブラッシングは慎重に行ってください。歯周病の場合は歯周病菌や歯垢をしっかりと取り除き、プラーク・コントロールを行いましょう。 直接的な知覚過敏の治療には、知覚過敏専用の歯みがき粉やフッ素コーティング剤などのデンタルケアアイテムを使うこと、コーティング剤を歯科クリニックで塗布してもらう方法が挙げられます。

レーザー治療やマウスピースの装着、神経を除去する治療もありますが、症状の程度に応じた治療を選ぶことが大切です。

 

予防方法

知覚過敏の予防方法は、歯周病を予防しながらしっかりとしたブラッシングを心掛けることが第一に挙げられます。歯肉退縮を防ぎながら、歯科治療では歯を削りすぎないように丁寧に治療を進めてもらうことも重要です。

フッ素を使って歯の再石灰化を促すセルフケア、または歯科医院で歯科衛生士や歯科医師によるデンタルケアも痛みの予防に期待ができます。

 

冷たい水が歯にしみるのは放置NG

冷たい水が歯にしみた時は、知覚過敏またはそれ以外の症状を疑うことができますが、虫歯や歯周病の可能性もあるため、早期発見・早期治療が大切です。

「我慢ができる痛みだから大丈夫」と思わず、歯と歯ぐきの状態をチェックしてもらいながら、痛みの原因としっかりと対処を行うようにしてください。

 

知覚過敏の治療は歯科医院を受

今回は、冷たい水による歯の痛みについて紹介しました。知覚過敏か、それ以外の症状かは人それぞれで異なりますが、知覚過敏の場合は虫歯や歯周病よりも長い付き合いになる可能性が高いため、フッ素によるコーティングやセルフケアによる歯肉退縮の予防を心掛けましょう。

歯科クリニックでは、知覚過敏専用のコーティング剤を取り扱っています。市販のものは歯みがきなどで取れやすくなっていますが、クリニックでは歯科衛生士や歯科医師による薬剤のコーティングが可能です。症状が気になる方は、ぜひ治療を検討してみてはいかがでしょうか。

明大前駅のさくら歯科では、虫歯の一般治療、歯科検診からインプラント、口腔外科まで幅広い治療を行っております。

患者様1人1人に真剣に向き合い、来院して良かったと思われるよう日々治療に励んでいます。

また、駅から徒歩1分という立地と、急な歯の痛みによる当日アポも承っておりますので、明大前駅の歯医者ならさくら歯科へご連絡ください。

コラム監修者

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横山弘継

役職 理事長

略歴

  • 1995年 明海大学歯学部 卒業
  • 1995年~井上歯科医院 勤務
  • キヌタ歯科医院 勤務
  • 1999年 さくら歯科 開業

実績

20年前からインプラント治療に着目。
現在地方からインプラント治療で通院の患者様も多く年間多くのインプラント治療を行っています。
10年程前から審美治療にも着目しセラミック矯正など審美治療にも力をいれている。