インプラント後に歯周病が起こりやすい理由と予防法を解説
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歯周病は日本人の8割がかかっている病気ともいわれています。

とくにインプラント後は、通常の歯よりも歯周病にかかりやすくなっており、適切に対処しないとインプラントが抜け落ちてしまう恐れがあります。

 

高額な治療費をかけたインプラントを台無しにしないために、インプラント後に歯周病が起きやすい理由とその予防法をしっかり理解し、適切に対処しましょう。

インプラントはなぜ歯周病になりやすい?

インプラントは、通常の歯に比べて歯周病になりやすいと言われています。その理由は、歯と顎の骨の間に歯周病菌が入り込むのを防ぐための歯根膜がないからです。

通常の歯では歯とそれを支える骨の間に歯根膜と呼ばれる組織があり、すき間なくぴったりとくっついています。

インプラントには、歯根膜がありません。

 

そのため、インプラントと骨のすき間に細菌性のプラーク(歯垢)が入り込みやすくなり、歯周病を起こしやすい状態にあるのです。

インプラント周囲炎とは

インプラント周囲炎は、歯周病の一種です。インプラントを支える歯ぐきや骨に歯周病菌が感染し、炎症が起きている状態のことです。

日本歯周病学会の調査によると、インプラント治療後3年以上が経過した患者のうち、1割以上の患者がインプラント周囲疾患にかかったことがあると報告されています。

 

インプラント周囲炎は、ほかの歯周病と比べて痛みや歯ぐきの腫れが生じにくく、発症初期には気づきにくいのが特徴です。

 

またインプラント後は炎症への抵抗性が低く、急速に症状が進むこともあります。

そのため、気づいたころには思っていたよりも症状が進行していることもあるでしょう。

インプラント周囲炎の原因

インプラント周囲炎が起きるのには、いくつかの原因があります。原因を知って、適切な対策を打つことで、インプラント周囲炎を回避できるでしょう。

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細菌感染

インプラント周囲炎を起こす最大の原因は、歯周病菌による細菌感染です。毎日のケアが不十分だと、歯周病菌が口の中で増殖しインプラント周囲炎を起こしやすくなります。

 

とくに免疫力が低下し細菌感染に対する抵抗力が落ちている方はインプラント周囲炎が長引いたり、悪化しやすかったりするため注意が必要です。

 

たとえば、喫煙習慣があると、タバコに含まれるニコチンによって血流が悪くなり、栄養がうまく届かず免疫力が低下しやすくなります。また糖尿病や貧血のある方は白血球の働きが弱まったり、患部に白血球がうまく届かなかったりするため、免疫力が低下し細菌感染を起こしやすい傾向にあります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは直接の原因にはなりませんが、インプラント周囲炎が起きるきっかけになる場合があります。

歯ぎしりや食いしばりをすると、インプラントやそれを支える歯ぐきに強い力が加わり、炎症が起きてしまいます。

 

その炎症をきっかけに細菌が感染し、インプラント周囲炎へと発展するのです。

 

インプラント周囲炎が及ぼす影響

インプラント周囲炎が起きると、歯ぐきが腫れたり、出血しやすくなったりします。

症状が進行すると、歯ぐきが化膿したり、インプラントがぐらついて抜け落ちたりとさまざまな不具合に悩まされるでしょう。

インプラント周囲炎の治療法として、歯周ポケットの洗浄や抗生物質の投与などで対処できる場合もありますが、症状が進行していると歯ぐきを切開して患部を清掃・殺菌するなど外科的処置が必要となることもあります。

 

また、インプラント周囲炎は口の中だけに影響を与えるわけではありません。

インプラント周囲炎を放置しておくと、歯周病菌が血流にのって全身にまわり、別の病気を起こすこともあります。

たとえば、歯周病菌によって、糖尿病や心疾患を発症したり、妊娠している場合には早産や低体重児出産の原因になったりします。

インプラント後の歯周病対策

インプラント後に起きる歯周病は、発症初期の自覚症状がすくなく、気づいたときには症状が進行している可能性があるため、適切に対策を打つことが大切です。

ここからはインプラント後にやっておくべき歯周病対策をご紹介します。

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日頃のセルフケア

インプラント後の歯周病を防ぐためには、毎日のセルフケアが重要です。

歯磨きのときは、歯の表面だけではなく、歯と歯ぐきの間を意識的に磨きましょう。インプラントは根元部分がくびれているため、とくに念入りに磨く必要があります。歯ぐきに対して45度で歯ブラシをあてると、効率よく磨くことができるでしょう。

 

また、力の入れすぎにも注意が必要です。力を入れて歯磨きをするとインプラントの露出につながるため、歯をなぞるようにやさしくブラッシングしてください。

 

歯ブラシは、歯周ポケットに入りやすいように、先が細くなっているものを選んでください。また歯ブラシが届かないところをケアするために、歯間ブラシも使用すると良いでしょう。

 

自身ではきちんと歯を磨けていると思っていても、実際はうまく汚れが落ちていないこともあります。

かかりつけの歯科に普段のブラッシングを見てもらい、正しいブラッシング方法を教えてもらいましょう。

定期的なメンテナンス

インプラント後は2~3ヶ月に1回程度は歯科を受診し、メンテナンスを受けましょう。

 

歯科でのメンテナンスでは、レントゲンで骨の状態を確認したり、歯石を除去したりします。歯石は直接歯周病の原因とはならないものの、歯周病菌のたまり場となるため、歯周病を起こさないために定期的に除去する必要があります。

 

また、かみ合わせに問題がないかをチェックし、歯や歯ぐきに強い力がかからないように対処します。インプラント後の歯周病を予防し、インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが大切です。

毎日のセルフケアと定期メンテナンスを行い、歯周病を防ごう

インプラント後の歯周病はインプラント周囲炎と呼ばれます。

症状が進行するとインプラントが抜け落ちたり、糖尿病や心疾患などの病気へと発展したりする恐れがあります。歯周病を予防するためには、毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスが大切です。

 

インプラントを長持ちさせることにもつながるため、適切な歯周病対策をつづけましょう。

 

明大前駅のさくら歯科では、患者様の状況に合わせた治療を提案させていただきます。ぜひお気軽にお立ち寄りください。 さくら歯科では治療にあたっての不安や疑問に対して丁寧にお答えいたします。ぜひカウンセリングにて、不安に思われていることをご相談ください。

また、駅から徒歩1分という立地と、急な歯の痛みによる当日アポも承っておりますので、明大前駅のインプラント治療ならさくら歯科へご連絡ください。

コラム監修者

監修者の写真

横山弘継

役職 理事長

略歴

  • 1995年 明海大学歯学部 卒業
  • 1995年~井上歯科医院 勤務
  • キヌタ歯科医院 勤務
  • 1999年 さくら歯科 開業

実績

20年前からインプラント治療に着目。
現在地方からインプラント治療で通院の患者様も多く年間多くのインプラント治療を行っています。
10年程前から審美治療にも着目しセラミック矯正など審美治療にも力をいれている。