虫歯予防は歯磨き粉を活用しましょう!歯磨き粉の選び方の4つのポイント
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虫歯予防をしたいと思われている方に向けて、歯磨き粉での対策について解説します。

「フッ素濃度が高い歯磨き粉だと虫歯になりにくい」と言われますが、本当に予防に役立つのかやデメリットを不安に思ったりする方もいらっしゃるかと思います。またどのような点に注目して歯磨き粉を選ぶのかわかりづらいのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、虫歯予防歯磨き粉を選ぶときの4つのポイントをご紹介します。参考にしながら、歯磨き粉を選んで、効率的に虫歯を予防しましょう。

 

虫歯の原因

虫歯の原因は歯垢の中にひそむ細菌です。1mgの歯垢の中には300種類の細菌が1億個もいると言われています[1]。

細菌は糖質を体内に取り入れて、分解して酸をつくりだします[2]。作り出された酸は歯のカルシウムを溶かす作用をもつため、溶かされ続けると虫歯となります[1][2]。

すぐに歯垢が除去されれば、溶かされた歯が自然治癒されることも少なくありません[1]。しかし歯垢が付着したままになったり、歯の奥の方まで溶かされてしまったりした場合は自然治癒が妨げられます[1]。そして細菌が作り出した酸により、虫歯が進行する流れです。

【関連記事】初期虫歯の治療法とは?特徴と症状、早期発見のポイントをチェック

 

大人と子供の歯の違い

大人の子供の歯には違いがあり、虫歯のリスクも異なります。

子供の歯は未熟で、大人の歯よりも性質が弱い傾向があります。特に乳歯はエナメル質が薄く、大人の永久歯の半分ほどしかありません。永久歯に生え変わったとしても、子供の場合はまだ歯の質が完成しておらず、虫歯になりやすい傾向です。

また虫歯の進行スピードも子供のほうが早く、歯の根元部分へと一直線に虫歯が進行するリスクがあります。大人の歯は表面のエナメル質が広くおかされていくのに対して、子供の虫歯は短期間で神経に至りやすいと言えるでしょう。

以上のように大人と子供とでは歯の質に違いがあり、対策も大人と子供で変えていく必要があります。

【関連記事】歯医者の歯科検診を大人が受ける場合の頻度と年齢ごとの違い

 

歯磨き粉って本当に虫歯予防になるのか?

歯磨き粉は虫歯予防にもおすすめです。最近では「フッ素配合」「歯周病予防対策」「歯槽膿漏対策」と、さまざまなタイプの歯磨き粉が店頭に並んでいます。その中でも予防への働きが期待されるのが、「高濃度フッ素配合」の歯磨き粉です。

フッ素には酸により歯が溶かされることを防ぎ、さらに歯の自然治癒力を高める作用があります[3]。また歯垢の中にフッ素が取り込まれると、細菌の働きを阻害して酸がつくられるのを予防する作用も発揮します[3]。

 

虫歯予防におすすめの歯磨き粉の選び方

歯磨き粉は虫歯予防への働きが期待できます。しかしどの歯磨き粉でも良いわけではありません。特に予防作用が期待できる歯磨き粉の選び方について知っておきましょう。

 

選び方1:「フッ素」が1,000ppm以上のもの

まずはフッ素の配合が1,000ppm以上の歯磨き粉を選びましょう。「高濃度フッ素配合」とされる歯磨き粉は、およそ1,000~1,500ppmのフッ素を含んでいます。高濃度フッ素配合の歯磨き粉には、配合されているフッ素の量が記載されているので確認してから購入してください。

ただし8歳未満の子供では「フッ素症」になる恐れがあるため、フッ素配合1,000ppm以下の歯磨き粉が望ましいです。フッ素症とはフッ素の過剰摂取により起こる慢性的な中毒症のことを指します[4]。フッ素症はエナメル質の形成が不完全な場合に、過剰摂取することで起こり得るものです[4]。

大人であれば高濃度フッ素配合の歯磨き粉は虫歯予防に役立つでしょう。しかし子供の場合は、あまり配合濃度の高すぎるものは控えてください。

 

選び方2:殺菌成分が含まれていること

フッ素に加えて、殺菌成分が配合されている歯磨き粉が予防におすすめです。殺菌成分が含まれていると、虫歯・歯周病・口臭の予防作用も期待できます。虫歯も歯周病も、口の中にひそむ細菌により引き起こされる症状です[2][5]。そして歯を失う2大原因とも言われます[5]。

歯磨き粉に含まれる殺菌成分とは次のようなものです。

 

【殺菌成分】

  • イソプロピルメチルフェノール
  • 塩化セチルピリジニウム
  • 塩化ベンザルコニウム
  • ラウロイルサルコシンナトリウム

パッケージ裏面の原料一覧には、配合されている成分が記載されているはずです。裏面をチェックして、殺菌成分とフッ素の両方が配合されている歯磨き粉を選びましょう。

 

選び方3:キシリトールが配合されているもの

キシリトールが配合されている歯磨き粉もおすすめです。キシリトールとは虫歯予防作用が立証されている天然の甘味料で、糖質でありながら虫歯菌に分解されません[6]。

しかし虫歯菌はキシリトールを体内に取り込み、分解しようとしますができないため体外へと排出します[6]。そしてまた新たなキシリトールを取り込むのです[6]。虫歯菌は体内への糖質取り込み・排出にエネルギーを使うため、余分なエネルギーを使わせることで活動を鈍らせる作用を期待できます[6]。

歯の溶解と酸の生成を防ぎ、歯の自然治癒を促すフッ素。そして虫歯菌の活動を鈍らせるキシリトールの両方が配合されている歯磨き粉なら、予防作用は更に高まるはずです。

 

選び方4:低研磨と低発泡タイプのもの

歯磨き粉を選ぶときは、低研磨・低発泡タイプのものがおすすめです。研磨剤は歯の表面に付着した着色や汚れを取り除く働きがあります。そして発泡剤は内の細かなところまで歯磨き粉が行き渡ることが特徴です。

しかし研磨剤の粒が大きい歯磨き粉を使い強くブラッシングをすると、歯の表面を傷つけてしまう恐れがあります。

発泡剤は泡立ちの良さから、しっかりと磨けたと勘違いしてしまいがちです。また口の中が泡だらけになるので、しっかりとうがいをしたくなります。するとフッ素が取り込まれる前にすべて流れてしまうこともあり得ます。

以上のように研磨剤や発泡剤にはデメリットもあるので、なるべく低研磨・低発泡の歯磨き粉を選んでください。

【関連記事】歯磨きをしても虫歯になる4つの理由と虫歯を予防するための方法

 

虫歯予防以外にも自分にあった歯磨き粉を

虫歯予防の歯磨き粉を中心に解説してきました。しかし歯磨き粉は虫歯を防ぐためだけに役立つものではありません。歯周病や口臭、着色汚れなどで悩んでいる方も、ご自身に適した歯磨き粉を選べば悩みが解決されるかもしれません。

虫歯以外の口腔内の悩みを持つ方に向けて、それぞれの症状にあった歯磨き粉を選ぶ必要性について解説します。

 

歯周病・口臭予防

歯周病や口臭を予防したい方であれば、殺菌作用抗炎症作用のある歯磨き粉を選びましょう。歯周病や口臭は口内の細菌により引き起こされるものなので[5][7]、殺菌作用があることは大切なポイントです。また歯周病の方は歯茎が腫れて炎症が起こりやすくなります。

炎症が起こると十分な歯磨きがしにくくなるため、炎症を抑える成分が配合されていることも大切です。歯周病・口臭予防には殺菌と抗炎症の2つを重視してください。

【関連記事】虫歯と歯周病の違いは?原因・症状・治療方法とセルフチェック

 

ホワイトニング対策

歯の着色汚れで悩んでいる方には、ホワイトニング対策ができる歯磨き粉が適しています。ホワイトニング対策ができる歯磨き粉には、研磨剤や漂白剤が含まれているため着色汚れにもおすすめです

歯科医院では治療としてホワイトニングを提供していますが、治療費や通院の手間などの問題を感じる方も少なくありません。しかし着色汚れは見た目に気になるものなので、まずはホワイトニング対策ができる歯磨き粉を試してみてください。

 

虫歯予防には歯磨き粉選びが大切

いかがでしたでしょうか?この記事を読んでいただくことで、虫歯予防に効果的な歯磨き粉の選び方がご理解いただけたと思います。

虫歯予防には、虫歯予防作用の高い歯磨き粉を選ぶことが大切です。フッ素やキシリトール、殺菌成分が配合されていて、低研磨・低発泡の歯磨き粉をおすすめします。また歯周病や口臭予防、ホワイトニング対策も、適した歯磨き粉を選ぶことで症状が緩和されるかもしれません。

特に子供は歯の質から、大人より虫歯にかかりやすい傾向があります。歯磨き粉選びにこだわって、虫歯のない口内を目指しましょう。

 

明大前駅のさくら歯科では、虫歯の一般治療、歯科検診からインプラント、口腔外科まで幅広い治療を行っております。

患者様1人1人に真剣に向き合い、来院して良かったと思われるよう日々治療に励んでいます。

また、駅から徒歩1分という立地と、急な歯の痛みによる当日アポも承っておりますので、明大前駅の歯医者ならさくら歯科へご連絡ください。

 

[1]参照:e-ヘルスネット:プラーク / 歯垢(ぷらーく)

[2]参照:e-ヘルスネット:むし歯の特徴・原因・進行

[3]参照:e-ヘルスネット:フッ化物利用(概論)

[4]参照:e-ヘルスネット:フッ素症(ふっそしょう)

[5]参照:e-ヘルスネット:歯周病とは

[6]参照:e-ヘルスネット:キシリトール(きしりとーる)

[7]参照:e-ヘルスネット:口臭の原因・実態

コラム監修者

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横山弘継

役職 理事長

略歴

  • 1995年 明海大学歯学部 卒業
  • 1995年~井上歯科医院 勤務
  • キヌタ歯科医院 勤務
  • 1999年 さくら歯科 開業

実績

20年前からインプラント治療に着目。
現在地方からインプラント治療で通院の患者様も多く年間多くのインプラント治療を行っています。
10年程前から審美治療にも着目しセラミック矯正など審美治療にも力をいれている。