気づいた時には進行してしまっているのが虫歯です。症状が進行した虫歯の治療は1日で終わることはほとんどなく、複数回の通院が必要となります。
しかし、忙しくてなかなか時間がとれないという人もいるでしょう。そこで今回は虫歯治療を1日で終えられる方法を紹介します。
虫歯の治療が長引いてしまう原因と併せて参考にしてください。
目次
虫歯治療が1日で終わらない4つの理由
虫歯は歯の表面を侵食する病気で、放置すると痛みや歯を失う原因になります。
そんな虫歯の治療期間について、1日で終わるという情報を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、実際には1日で治療が終わることは稀であり、治療期間が長くなることの方が多いといえます。
その理由について、4つの観点から解説します。
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理由①虫歯の状態によって治療速度が異なるから
虫歯は、進行状態によって、治療期間が大きく変わります。
初期の虫歯であれば、簡単な処置により1日で治療が終わることもありますが、進行が進んでいる場合には、治療期間が長引くことが多くなります。
また、歯の神経が死んでしまっている場合には、根管治療という繊細な処置が必要となり、より完治までの時間を要します。
虫歯の状態によっては、複数回の治療が必要となるため、治療期間が長くなるのです。
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理由②治療は段階的に進むから
虫歯治療は、治療計画に従って段階的に進められます。
まず、虫歯を取り除くための処置が行われ、その後、虫歯の穴を埋めるための詰め物や被せ物を作製するために型取りを行います。そして、作製された詰め物や被せ物を装着し、調整を行うことで治療を完了します。
場合によっては、歯茎や神経を切るなどの外科的処置が必要となるケースもあるでしょう。
以上のような細かく、手間がかかる作業を段階的に進めるため、1日で治療が終わることはほとんどありません。
理由③虫歯は1本ずつ治療するから
虫歯は、歯の1本1本に発生するため、虫歯治療も1本ずつ行われます。
虫歯の進行具合や場所によって、治療の内容や期間が異なるため、全ての歯を同時に治療することはできません。
また、1本の歯でも治療する箇所によっては、複数回の治療が必要な場合があります。そのため、治療期間が長くなることがあります。
理由④保険が適用される治療にはルールがあるから
虫歯治療には、保険が適用される場合とされない場合があります。保険が適用される治療には、一定のルールがあります。
たとえば、保険診療で歯石取りをする場合でも細かなルールが設けられています。施術する前に歯茎を検査し、歯石を取った後どのような状態か検査を行います。その後に歯茎の中の歯石を取るというルールです。
虫歯治療にも似たようなルールがあり、歯科医はこれらを守りながら治療を行うため、治療期間が長くなります。
虫歯治療にかかる期間と費用
虫歯治療にかかる期間と費用は、患者の虫歯の状態や治療方法によって異なります。
例えば、虫歯の初期段階であれば、虫歯の進行を止めるための処置が行われ、1回の治療で完了する場合もあります。
初期虫歯の場合、治療の必要はなく定期健診による経過観察で済むケースもあり、その場合はクリーニングやブラッシング指導などで、1回1〜3,000円程度となります。
ただし、初期でも歯が溶けている場合は治療の必要があります。虫歯部分を削り、詰め物(レジン)をするのが一般的で、1回1,500〜3,000円程度です。
このように早い段階で虫歯を発見できれば治療は長引かずに1日で終わることも多く、治療費も最低限で済むでしょう。
しかし、さらに進行が進むと治療にも時間がかかります。痛みなどの自覚症状がある場合は、神経まで虫歯が進んでいると考えられるため、根幹治療が必要となります。
根管治療では虫歯菌を取り除き、再発や悪化を防止しなければいけません。そのため、根管治療だけでも複数回の通院が必要となります。
根管治療で虫歯菌を取り除いたあと、被せ物をします。通院回数は平均4〜7回、費用は1万円程度です。
虫歯治療にかかる期間は、虫歯の状態や進行度合いによって異なります。上記はあくまで目安と認識しましょう。
また、治療費については保険適用であれば全額負担する必要はありません。
逆に適用外の治療であれば、自己負担金が高くなることがあり、治療方法によっても費用が異なります。例えば、セラミック治療やインプラント治療などの高度な治療方法を選択した場合は、費用が高くなる傾向にあります。
関連記事>>虫歯の治療期間は?5つの進行段階ごとの治療と短縮させる2つの方法
虫歯治療が1日で終わる方法はあるのか
虫歯治療は一般的に、歯科医院で何度かの通院を必要とするものです。
しかし、最近では1日で治療が終わる方法があります。それが、セレックというCAD/CAM技術を用いた治療法と、MI治療です。
セレックとは
セレックは、コンピュータ支援設計・製造技術であるCAD/CAMを歯科治療に応用したものです。
歯科医師が口の中の歯をスキャンし、そのデータをコンピュータに送信することで、治療に必要な物を製造することができます。
精度が高いため、口腔内にいれても違和感が少なく、すぐに綺麗な歯になるでしょう。
費用の相場
セレックの治療費用は、通常の治療と比較して高くなる傾向があります。
しかし、治療回数や時間の短縮ができるため、全体的に見ればコストパフォーマンスは高いといえます。
セレック治療の費用は、歯科医院によって異なりますが、1本あたり数万円程度が一般的です。
セレックの治療の流れ
セレック治療の流れは以下のようになります。
1.歯科医師が、虫歯などの治療が必要な箇所をスキャンし、そのデータをコンピュータに送信します
2.コンピュータ上で、治療に必要な物を設計します
3.設計された物を、セレックマシンで製造します
4.製造された物を、歯科医師が歯に取り付けます
症状によって異なりますが、この流れを1日で終わらせます。
通常の治療に比べ、治療期間が大幅に短縮されるため、忙しい人や時間に余裕のない人にはおすすめの治療法といえます。
MI治療とは
MI治療とは、MinimalIntervention(最小限の介入)の略で、従来の治療方法に比べて、歯を削る量が少ないことが特徴です。
痛みも少なく、1歯あたり1日で終わるため、治療期間も短い点が特徴といえます。
また、白い詰め物を使用するため見た目が自然になるだけでなく、金属を使わないことで金属アレルギーのリスクを抑えられるメリットもあります。
費用の相場
MI治療の費用は、先述したセレック治療と比べると、全体的に安くなっています。
保険が適用される場合もありますが、適用されない場合は、1本あたり数千円から数万円程度が相場となります。
ただし、症例によっては治療の難易度が高く、費用が高くなる場合があるので注意しましょう。
MI治療の流れ
MI治療の流れは以下の通りです。
1.診断と検査。虫歯の程度を確認するために、レントゲンやCTなどの検査を行います
2.歯のクリーニング。虫歯を治療する前に、歯の表面をきれいにすることが必要です
3.虫歯の除去。虫歯が進行している部分を削り取ります。従来の治療方法に比べて、削る量が少ないため、痛みも少なく、神経にダメージを与えることもありません
4.虫歯の再発防止。除去した虫歯を再発させないために、フッ素塗布やシーラントなどを行います
以上が、MI治療の流れです。治療期間は、1本あたり1時間から1時間半程度で、痛みも少ないため、通院回数が少なくなります。
1日で終わる虫歯治療の注意点
1日で終わる虫歯治療には注意点があります。
例えば、治療の費用は従来の治療よりも高くなる傾向があります。また、治療時間が短くなるため、歯科医師の技術力が高くなければ、治療がうまくいかないことがあります。
事前に治療方法別の金額と保険の適用有無を聞く、治療実績についてホームページや口コミを閲覧するなど、事前に確認するようにしましょう。
いずれにしても、虫歯治療は1日でも早い処置が大切となります。
虫歯は1日で終わる方法もある。早めの通院が肝心
虫歯治療は基本的に1日では終わらないことがほとんどです。段階を踏んで細かい作業を行うこと、1本1本治療を行うことなどがその理由です。
また、虫歯の進行状況も治療期間に影響を与えます。進行しているほど治療工程が増えるため、当然ながら完治させるまでの時間を要します。
しかし一方で、最近では1日で済む虫歯治療も増えてきました。それが、セレックとMI治療の2つです。
どちらもメリットや治療費に違いがあるものの、1日で治療が終わる点では同じです。自分に合った方法を選択することをおすすめします。
虫歯治療は早期の受診と日頃からのケアが大切です。
明大前駅のさくら歯科では、虫歯治療はもちろんクリーニングなども行っておりますので、お気軽にご来院ください。
患者様1人1人に真剣に向き合い、来院して良かったと思われるよう日々治療に励んでいます。
また、駅から徒歩1分という立地と、急な歯の痛みによる当日アポも承っておりますので、明大前駅の歯医者ならさくら歯科へご連絡ください。