抜歯をした後インプラント治療をする予定なのに、歯がない状態が続いていませんか?いつから仮歯を入れるのか分からず、不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、インプラント治療中の方やインプラント治療をする予定の方に向けて、仮歯を入れるタイミングや期間、仮歯が果たす役割、仮歯を入れた場合の注意点について解説します。
目次
インプラント治療中に入れる仮歯とは?
インプラント治療では、治療の第一段階として、人工歯根(インプラント体)が顎の骨に埋め込まれます。
インプラント体が骨と結合するまでの数ヶ月の間、一時的な歯の代わりとなるのが仮歯です。 仮歯は主にプラスチック製で一般的な人工歯に比べて耐久性がやや劣ります。
しかし仮歯はあくまで治療期間中の応急処置であり、最終的にはより耐久性の高い人工歯に置き換えられます。
仮歯はいつから入れるのか
一般的に仮歯は、患部を縫合して傷口が治癒した後に装着されます。傷口が治癒するまでには1週間〜10日ほどかかり、その後インプラント体が安定していれば仮歯を装着します。
顎の骨がしっかりしていることや噛み合わせに問題がないなどの条件を満たせば、手術当日に仮歯を装着するケースもあるでしょう。手術当日に入れることができたら治療の回数が減るため、身体への負担が軽減されます。
ただし仮歯を入れる具体的なタイミングは、治療状況や口腔内の状態により異なるため、医師との相談が必要です。
仮歯を入れる期間
インプラント治療における仮歯の装着期間は通常3~6か月です。この期間中に、インプラント体が顎骨と結合し、実際の人工歯を取り付けることができるように安定化されます。
具体的な装着期間は、患者の骨密度、インプラントの安定性、治療部位の健康状態などによって異なります。
いずれにしても仮歯を長期間装着することになるので、医師の指示に従い適切なケアを行いましょう。
関連記事>>インプラント治療で歯がない期間はある?その期間と対応方法を紹介
インプラント治療中の仮歯が果たす役割
インプラント治療中の仮歯にはさまざまな役割があり、仮歯を装着することで、人工歯を取り付けるまでの期間に不都合を生じにくくなったり、人工歯を取り付けた後の状態がよくなったりします。
ここからはインプラント治療中の仮歯が果たす役割について解説します。
見た目の自然さと滑舌の良さを保つ
インプラント治療中に仮歯を装着することで、見た目の自然さと滑舌の良さを保つことができます。
特に前歯がない状態で過ごすと審美性が大きく損なわれるでしょう。口元が気になって、笑顔になることや人前に出ることに抵抗を感じる場合もあるかもしれません。
仮歯は、周囲の歯と同様の白い色合いで、治療中でもほぼ変わらない見た目を維持できます。 さらに、歯がないと発音に支障をきたすことがあります。歯がないところから空気が抜けたり、舌をうまく動かせなくなったりして滑舌が悪くなり、日常生活に悪影響を与えることもあるでしょう。
仮歯を装着すれば、そういった影響を防ぐことができ、滑舌の良さを保てます。
関連記事>>前歯はインプラントできない?治療が難しい理由を解説
嚙み合わせを維持する
仮歯を装着しないと歯にすき間ができてしまい、そのすき間を埋めようと周囲の歯が傾いたり伸びたりして正しい位置から動いてしまいます。
実際、歯は1ヶ月の間に約1mm動くとも言われています。正しい位置から歯が動いてしまうと噛み合わせが悪くなってしまい、インプラント治療以外に治療をしないといけなくなる可能性もあるでしょう。
また、噛み合わせが悪くなると、頭痛や肩の張り、顎関節症を引き起こすことも考えられます。仮歯を装着しかみ合わせを維持することで、さまざまなトラブルの予防になるのです。
インプラント治療の傷口を保護する
口の中には1,000億〜6,000億もの常在菌が存在するとも言われています。これらの常在菌が傷口で繁殖すると細菌感染を起こす可能性もあります。
細菌感染が歯周病へ進行すると、歯茎に炎症が起き、インプラント体の結合に悪影響を与えます。
そのため、仮歯を装着し患部を保護することが大切です。
また仮歯には外部からの刺激を防ぐ働きもあります。温熱刺激や歯ブラシによって患部が刺激されると、炎症の原因になることがあります。これらの刺激から患部を守ることも、仮歯の大切な役割です。
顎の骨・歯茎の状態を安定化させる
仮歯には、インプラント治療中に顎の骨や歯茎の状態を安定化させる役割もあります。
歯がない状態でしばらく放置していると、顎の骨や歯茎が変形することがあります。仮歯を装着すれば、そういった変形を防ぐことができ、実際の人工歯を入れたときに安定するでしょう。
また入れ歯を長期間装着してきた方は、顎の骨や歯茎が圧迫されている可能性があります。仮歯で土台を安定化させることで、インプラント治療後の見た目も良くなるでしょう。
インプラント治療中に仮歯を入れた場合の注意点
インプラント治療中の仮歯の装着期間は一般的に3〜6ヶ月であり、しばらく装着し続ける必要があります。人工歯に比べると仮歯は耐久性に劣るため、生活上の注意点を把握しておく必要があるでしょう。
ここからはトラブルを防ぐために知っておきたい、インプラント治療中に仮歯を入れた場合の注意点をお伝えします。
仮歯への刺激を避ける
仮歯は強度が低いため、外れたり欠けたりするリスクのある食べものは控えましょう。
例えば、ガムやキャラメルなど歯にくっつきやすい食べものは仮歯が外れる可能性があるため仮歯の装着期間は食べないようにしましょう。また煎餅や硬いパン、スルメイカなどを噛むと仮歯が欠ける可能性があります。
仮歯の強度は天然の歯の半分程度とも言われているため、これまで当たり前に噛めていたものでも避けたほうが良い食べものがあることを理解しておきましょう。
特にインプラント手術後の2〜3日後は、ヨーグルトやスープなど極力噛まずに食べられるものを取りましょう。 さらに仮歯の装着中は歯ブラシの使い方にも注意が必要です。
歯ブラシでゴシゴシ強く磨くと、傷がついたり、仮歯が外れる原因になったりするため優しく磨くようにしてください。
仮歯が外れたり欠けたりしたら放置しない
仮歯が外れたり欠けたりするなどトラブルが生じたら、すぐに医師へ相談しましょう。できればトラブルが起きたその日中に、難しいようであればできるだけ早めに受診してください。
その状態を放置してしまうと、歯の位置がズレてしまい噛み合わせが悪くなったり、細菌感染のリスクが高まったりする可能性があります。仮歯が外れたら、捨てずに保管しておき、受診時に必ず持参してください。
仮歯を清潔に保つ
仮歯の周囲組織に炎症が起きると、インプラント体と顎の骨の結合に悪影響を与える可能性があります。細菌感染によってインプラント周囲炎などが起きると、最悪の場合インプラントが抜け落ちることもあります。
細菌や汚れを落とし細菌感染を防ぐためには、毎日のセルフケアが大切です。仮歯が外れないように、歯ブラシを優しく当てて丁寧にブラッシングを行いましょう。特に仮歯と歯茎のすき間は磨き残しやすいため、意識的にブラッシングしてください。
仮歯を入れた状態で治療を中断しない
仮歯はあくまで人工歯を入れるまでの一時的な役割に過ぎません。仮歯を長く使用すると、摩耗や変色など経時劣化が進行し、口臭や噛み合わせの乱れの原因になります。
また仮歯は耐久性が低いため、使用を続けることで最終的に破損するリスクがあります。破損した仮歯によって、口の中を傷つけることもあるでしょう。
仮歯を入れた状態で治療を中断せずに、インプラント治療が完了するまでは医師の指示通りに通院してください。
仮歯は傷口が治癒してから装着されることが多いが、場合によっては手術当日に装着することも
仮歯は一般的にインプラント体を埋め込み、傷口が治癒した後に装着されます。
傷口が治癒するまでには1週間〜10日ほどかかり、インプラント体が安定していれば仮歯が装着されます。
ただし治療の回数を減らしたい場合は、条件を満たせば手術当日に仮歯を装着することも可能です。
仮歯を入れる期間は通常3〜6ヶ月とされており、しばらく仮歯を付け続けることになるため、取り扱い上の注意点を守りましょう。
明大前駅のさくら歯科では、患者様の状況に合わせた治療を提案させていただきます。ぜひお気軽にお立ち寄りください。 さくら歯科では治療にあたっての不安や疑問に対して丁寧にお答えいたします。ぜひカウンセリングにて、不安に思われていることをご相談ください。
また、駅から徒歩1分という立地と、急な歯の痛みによる当日アポも承っておりますので、明大前駅のインプラント治療ならさくら歯科へご連絡ください。