インプラントの治療期間とは?治療が長引く要因も解説
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インプラントは、歯を失った場合に選択する人工歯で、周囲の歯に被せるブリッジや入れ歯とは異なり、顎の骨に直接埋入する手術を行う歯科治療方法です。

そのため、口腔内の衛生状態や顎の骨の状態も治療に大きく関係し、場合によってはインプラント治療が完了するまでに長引いてしまうこともあります。


本記事では、インプラントの一般的な治療期間や、治療が長引いた際の要因などを解説します。

インプラント治療がどれくらいかかるか気になる方や、インプラント治療をなるべく最短で完了させたい方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントの治療期間

インプラントの治療にかかる一般的な期間は、下顎が約6ヶ月、上顎が約12ヶ月です。

インプラントを顎の骨に埋入するための外科手術をするために、さまざまな術前検査や手術前の治療が多いことからこのような期間になっています。

インプラント手術の前には、以下のような複数の検査や確認を行い、必要に応じて治療が行われます。

 

術前に行う検査や確認事項

必要な治療

虫歯や歯周病がある場合

虫歯や歯周病の治療

顎の骨の量や厚さが不足している場合

骨造成

歯肉が足りない場合

歯肉移植手術

インプラントの手術回数

1回法、2回法

 

インプラントの手術は1~2日程度で終わりますが、インプラントと顎との結合が確認できるまでの期間は別に必要となるため、治療期間は術前よりも術後の方が長くなります。

術後は、インプラントの手術によってできた傷口がふさがるまで感染症にならないよう、歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける必要があります。

 

インプラントは、定着した後の維持が大切であり、毎日のセルフケアや歯科医院でのメンテナンスが大切であることを覚えておきましょう。

治療の流れとかかる期間

ここではインプラントの治療の流れと、治療にかかる期間を解説します。 治療の流れは、以下の通りです。

 

  1. 治療計画と精密検査
  2. 事前治療
  3. 人工歯根埋入手術
  4. 定着期間
  5. 型取り
  6. 人工歯の装着

 

順番に解説します。

①治療計画と精密検査

インプラント治療では、顎の骨に土台となる人工歯根を埋入するための外科手術を行います。

インプラントは、人工歯根が顎の骨にしっかり埋入され、結合されることが大切です。そのためには、外科手術をするにあたり、顎の骨の状況や虫歯、歯周病の有無などを細かく確認する必要があります。

さまざまな検査を行った上で、医師とのカウンセリングなども重ねながら、治療方針を決定していきます。

②事前治療

事前治療とは、インプラントを入れる前に治療が必要な項目があった場合に行われます。

精密検査で顎の骨量が少ないと判断された場合は、骨を増やす「骨造成治療」をする必要があり、歯周病があった人は、インプラント治療よりも先に歯周病を治す必要があります。これらは、インプラントとしっかり結合させるために必要な治療です。

顎の骨にしっかりと厚みがあり、事前治療が不要な場合は、すぐにインプラントの埋入手術に移ります。

③人工歯根埋入手術

人工歯根埋入手術は、インプラントの土台となるチタン製の人工歯根を顎の骨に穴を開けて埋入する手術です。

インプラントの手術を行う上で、土台となる人工歯根が顎の骨としっかりと結合するかどうかはその後のインプラントの維持に関わるため、非常に大切なプロセスです。そのため、この手術は患者さんの顎の骨の厚さや強さなどを確認したうえで、手術を1回で行うか2回に分けて行うか歯科医師が判断し決定します。

 

1回法と2回法の違いは、以下の通りです。

 

 

方法

内容

1回法

1度の手術で完了する。顎の骨の状態が良く安定している方のみできる方法。

2回法

1度目の手術で人工歯根と顎骨の結合を定着させ、その後2度目の手術で人工歯根と人工歯を連結させる方法。

 

 

人工歯根埋入手術の1回法と2回法は、手順が分かれるかそうでないかの違いのため、どちらも仕上がりに大きな差はありません。

しかし、顎の骨がしっかりと安定しやすい方の場合は1回法の方が1度の手術で終わることで人気があります。

④定着期間

2回法で手術を行った場合は、1度目の手術で行う人工歯根と顎の骨が結合するまでの定着期間が3~6ヶ月必要です。

また、人工歯根の定着期間には個人差が出るため、歯科医師が定着度合いを確認しながら、次の治療工程に進む時期を決定します。

⑤型取り

結合と定着が無事に確認できたら、次は人工歯根にかぶせる人工歯(上部構造)の型取りに移ります。

人工歯は、患者さんに合わせて埋入するインプラントの周りの歯に形や色がなじむように製作します。

⑥人工歯の装着

インプラントの結合と定着が確認でき、さらに切開した歯茎の傷口が治ったことを確認した後に、人工歯根に型を取って作った人工歯を装着します。

噛み合わせの確認を行い、人工歯と人工歯根をつなぐ部品であるアバットメントと連結させて完了です。

関連記事>>インプラントとは?基礎知識からメリット・デメリット・注意点まで

 

インプラント治療が長引く要因

インプラント治療が長引く原因は、以下の通りです。 中には自分で注意することにより回避できる要因もあるため、ぜひ参考にしてください。

 

  1. 感染
  2. 喫煙
  3. 骨造成・歯肉移植手術の有無

 

①感染

インプラント治療が長引く要因の一つに、感染があります。

インプラント治療では、歯茎を切開して人工歯根を埋入するため、口内に傷口が生じます。その傷口が細菌に感染してしまうと、インプラントと顎の骨がうまく結合できない場合があるでしょう。

しっかりと結合しないと治療を進められないため、場合によっては治療期間が延長になる場合もあります。

②喫煙

インプラント治療が長引く要因の二つ目に、喫煙が挙げられます。

喫煙をすることにより、タバコに含まれるニコチンによって血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。

また、インプラントと骨の結合が阻害されることもあり、治療に大きな影響が起こることも考えられるでしょう。

 

口腔内のトラブル予防や、インプラントの治療を長引かせないせないためにも、禁煙を心がけましょう。

③骨造成・歯肉移植手術の有無

インプラントの埋入は、顎の骨の厚みと歯肉の量が十分にあることを前提として手術を行います。そのため、顎の骨の量や、骨の厚みが不足している場合は、インプラントの埋入が難しいため、骨造成を行う必要があり、歯茎が少ない場合は、歯肉移植手術を行います。

これらの処置が追加で必要になった場合は、骨造成には3〜6ヶ月程度、歯肉移植手術には2週間程度の治療延長になることを覚えておきましょう。

インプラントの治療期間は口腔や骨の状態で長引くことがある

インプラントの治療期間が長引く要因は、インプラントの手術以外の治療や手術に必要な処置、術後のケアに時間がかかるためであるということを解説しました。

 

土台となる顎の骨の状態は、インプラントの位置によっても異なり、しっかりと土台を作る上でも骨が薄い場合は骨造成などが必要になることを覚えておきましょう。

 

また、インプラントは細菌感染に弱いため、手術による傷口が回復するまでの状態観察や、定着するまでのケア、口内環境を整えるためのメンテナンスなどが必要になります。治療が長引いてしまう要因は、患者さんによって異なりますが、禁煙など意識的に行う対策もあるため、できることからやってみることが大切です。

 

明大前駅のさくら歯科では、患者様の状況に合わせた治療を提案させていただきます。さくら歯科では治療にあたっての不安や疑問に対して丁寧にお答えいたします。ぜひカウンセリングにて、不安に思われていることをご相談ください。

また、駅から徒歩1分という立地と、急な歯の痛みによる当日アポも承っておりますので、明大前駅のインプラント治療ならさくら歯科へご連絡ください。

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コラム監修者

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横山弘継

役職 理事長

略歴

  • 1995年 明海大学歯学部 卒業
  • 1995年~井上歯科医院 勤務
  • キヌタ歯科医院 勤務
  • 1999年 さくら歯科 開業

実績

20年前からインプラント治療に着目。
現在地方からインプラント治療で通院の患者様も多く年間多くのインプラント治療を行っています。
10年程前から審美治療にも着目しセラミック矯正など審美治療にも力をいれている。