
インプラント治療を検討しているものの、治療後のケアが煩わしいのではないかと不安に感じていませんか?
インプラントは人工物のため虫歯にはなりませんが、ケアを怠ると天然歯よりも深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。
とくに歯周病に似た「インプラント周囲炎」は進行が早く、自覚症状が出にくいのが特徴です。
本記事では、インプラントのケアをしない場合のリスク、自宅での正しいケア方法、歯科医院で行うメンテナンス内容を解説します。ぜひインプラントを長く健康に保つための知識を身につけてください。
目次
インプラントはケアしないとどうなる?
インプラントはチタン製の人工歯根で、虫歯にはなりません。 しかし、適切なケアを怠ると天然歯よりも深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。
具体的なリスクとして、以下3つを解説します。
- 天然歯よりも細菌感染に弱くなる
- インプラント周囲炎が急速に進行する
- 土台の骨が溶けて脱落する
それぞれ見ていきましょう。
天然歯よりも細菌感染に弱くなる
インプラントは天然歯に備わっている生体防御機能を持たないため、細菌感染に対する抵抗力が弱いです。 天然歯の周りには、歯根膜という重要な組織が存在します。
この歯根膜には血管が豊富に通っており、栄養や免疫細胞を供給して細菌の侵入を防ぐバリアの役割を果たしています。
一方でインプラントにはこの歯根膜がなく、歯茎と直接結合しているだけです。 そのため、一度インプラントと歯茎のすき間に細菌が入り込むと、炎症が骨まで広がりやすい構造です。
インプラント周囲炎が急速に進行する
インプラントのケアを怠った場合に起こる、もっとも深刻な病気が「インプラント周囲炎」です。
これは歯周病と似ていますが、インプラントには炎症を食い止める歯根膜がありません。 そのため、天然歯の歯周病に比べて進行が速く、症状がより重篤化しやすいといわれています。
さらにインプラント自体に神経がないため、初期段階では痛みや腫れなどの自覚症状が出にくいことも発見を遅らせる一因です。 気づいたときには、かなり症状が進んでいることも少なくありません。
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土台の骨が溶けて脱落する
インプラント周囲炎が重症化すると、インプラントを支える顎の骨が溶かされてしまいます。 骨の吸収が進むことで土台を失ったインプラントは、次第にぐらつき始めます。
一度溶けてしまった骨は、基本的には自然に元の状態へ戻ることはありません。 最終的には、インプラントが抜け落ちてしまうか、あるいは摘出しなければならない状態に至ります。
そうなると、再治療はより複雑で高額になるでしょう。 適切なケアを怠ることは、高額な費用と時間をかけて手に入れたインプラントを失う危険に直結するものです。
自宅で行うインプラントの正しいケア方法
インプラントを長持ちさせるには、毎日のセルフケアが欠かせません。 天然歯とは構造が違うため、インプラントに適した方法で清掃する必要があります。
ただ磨くだけでなく、汚れが溜まりやすい部分を意識することが大切です。
自宅で行うべき正しいケア方法として、以下4つを紹介します。
- 歯と歯茎の境目を意識して優しくブラッシングする
- 歯間ブラシやフロスを使いすき間の汚れを除去する
- インプラント専用など研磨剤無配合の歯磨き粉を選ぶ
- 殺菌効果のある洗口液を活用して口内環境を整える
ケアを習慣化し、清潔な状態を維持しましょう。
歯と歯茎の境目を意識して優しくブラッシングする
インプラントの清掃でもっとも重要なのは、歯と歯茎の境目にある溝の部分です。 この部分は汚れが溜まりやすく、インプラント周囲炎の原因菌が繁殖する温床となります。
歯ブラシは、歯茎を傷つけないように「やわらかめ」の毛先のものを選びましょう。 歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、力を入れすぎずに小刻みに動かすのがコツです。
ゴシゴシと強く磨くと歯茎が下がってしまったり、人工歯が傷ついたりする原因になります。
歯間ブラシやフロスを使いすき間の汚れを除去する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間やインプラントの構造的に清掃が難しい部分の汚れを完全に取り除けません。 そのため、歯間ブラシやデンタルフロスといった補助的な清掃用具の併用が必須です。
とくに、複数のインプラントが連結しているブリッジタイプの場合は、構造が複雑で汚れが溜まりやすくなっています。
このような場所には、スーパーフロスと呼ばれる専用のフロスが有効です。 歯間ブラシは、歯茎を傷つけないように無理なく通るサイズを選んでください。
インプラント専用など研磨剤無配合の歯磨き粉を選ぶ
インプラントの人工歯の素材は、天然歯とは異なります。 研磨剤が多く含まれている歯磨き粉を使用すると、人工歯の表面に細かい傷が付いてしまう可能性があります。
その傷に汚れや着色が付きやすくなり、細菌が繁殖する原因にもなりかねません。 そのため、歯磨き粉は研磨剤が無配合か、低研磨性のものを選ぶことが推奨されます。
歯科医院で販売されている、インプラント専用の歯磨きジェルなどを使用するのもよいでしょう。
殺菌効果のある洗口液を活用して口内環境を整える
毎日の歯磨きに加えて、殺菌効果のある洗口液(マウスウォッシュ)を併用すると、口内全体の細菌コントロールに役立ちます。
歯磨きだけでは届きにくい、歯茎の溝や粘膜に付着した細菌の増殖を抑える効果が期待できます。 選ぶ際は、インプラント周囲炎の原因菌に有効な殺菌成分(IPMPやCPCなど)が含まれているものがおすすめです。
ただし、アルコール成分が強い製品は口内を乾燥させることがあるため、刺激の少ないノンアルコールタイプを選ぶとよいでしょう。
洗口液はあくまで補助的なものなので、基本の歯磨きを丁寧に行ったうえで活用してください。
歯科医院で受けるプロフェッショナルケアとメンテナンスの内容
セルフケアを完璧に行っていても、自分では取り除けない汚れは蓄積するものです。 そのため、定期的に歯科医院でプロによるメンテナンスを受けることが、インプラントの寿命を左右します。
プロケアの内容として、おもに以下の4つを行います。
- 歯科衛生士による専用機器を用いた精密なクリーニングを行う
- 噛み合わせの調整を行いインプラントへの過度な負担を防ぐ
- 人工歯を固定するネジの緩みや部品の破損を点検する
- レントゲン撮影で外からは見えない骨の状態を確認する
詳しく見ていきましょう。
歯科衛生士による専用機器を用いた精密なクリーニングを行う
歯科医院のメンテナンスでは、歯科衛生士が専門の機器を使用して、普段の歯磨きでは落としきれない歯垢や歯石を徹底的に除去します。
とくに、歯周ポケット内部やインプラント体の表面に付着したバイオフィルム(細菌の膜)は、セルフケアで除去するのが困難です。
歯科衛生士は、インプラント体を傷つけないよう、プラスチック製やチタン製の専用器具を用いて丁寧にクリーニングを行います。 これにより、インプラント周囲炎のリスクを大幅に低減させることが可能です。
噛み合わせの調整を行いインプラントへの過度な負担を防ぐ
インプラントには天然歯にある歯根膜がないため、噛む力を直接骨で受け止めます。 噛み合わせが強すぎたり、バランスが悪かったりすると、インプラントや周囲の骨に過度な負担がかかってしまいます。
そのため、インプラントの破損や骨の吸収につながりかねません。 定期メンテナンスでは、噛み合わせに変化がないかを細かくチェックし、必要であれば調整を行います。
お口の中の状態は日々変化するため、定期的な確認と調整が欠かせません。
人工歯を固定するネジの緩みや部品の破損を点検する
インプラントは、顎の骨に埋める「インプラント体」、その上に装着する「人工歯」、両者をつなぐ「アバットメント」という部品で構成されています。
これらはネジで固定されていますが、長年使用しているとネジが緩んだり、部品が摩耗・破損したりすることがあります。 メンテナンスでは、これらの部品に異常がないかを確認。
ネジの緩みがあれば、締め直しを行います。 万が一、緩んだまま放置すると、インプラントがぐらついたり、細菌が侵入する原因になったりします。
レントゲン撮影で外からは見えない骨の状態を確認する
インプラント周囲炎の怖い点は、自覚症状がないまま進行し、気づいたときには顎の骨が溶けていることです。 口の中を目で見るだけでは、骨の状態を正確に把握できません。
そのため、歯科医院での定期メンテナンスでは、レントゲン撮影を行います。
これにより、インプラントを支えている骨が吸収されていないか、炎症が起きていないかなど、外からは見えない部分の状態を詳細に確認できます。
まとめ:インプラントの適切なケアを継続して長く使い続ける
インプラントを長く快適に使い続けるためには、毎日のセルフケアと定期的なプロケアの継続が不可欠です。 日頃の丁寧なブラッシングに加え、3ヶ月から半年に一度は歯科医院で専門的なチェックを受けましょう。
明大前駅のさくら歯科では、インプラント治療の無料カウンセリングを行っています。 専門のカウンセラーが患者様一人ひとりのお悩みに寄り添い、治療内容や費用、メンテナンスについて丁寧にご説明いたします。
無理に治療を勧めることはありませんので、インプラントに関する不安や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。





