虫歯になりやすい飲み物・食べ物と食生活から虫歯を予防する方法
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虫歯は、口の中が酸性の状態に傾いて歯の表面のエナメル質が溶けていき、口の中に住んでいるミュータンス菌などの細菌が歯を溶かして、歯の奥の組織まで進行する口腔内の疾患です。

出産直後の赤ちゃんは虫歯菌を持っていないといわれていますが、その後の生活で家族の使った食器を使うなどして、菌を口の中に取り込んでしまいます。虫歯菌が多いほど感染のリスクが上がるため、虫歯になりにくい食生活や生活習慣を心掛けましょう。

ここでは、虫歯になりやすい飲み物と予防に役立つ食べ物について紹介します。

 

虫歯になりやすい飲み物は?糖質に注意!

虫歯になりやすい飲み物とは、一般的に糖質を含んでいるもの全般です。ジュースや清涼飲料水はもちろん、お酒や砂糖を入れた飲み物も虫歯菌にとっては活動の材料となります。

虫歯菌のえさとなる糖質を与え続けると、口の中では急激に細菌が繁殖します。歯みがきをしないでいるとさらにリスクは上がり、噛み合わせの悪い部分や歯と歯のすき間を中心に菌が活動を始めます。

ここからは、飲み物に含まれている糖質と虫歯との関係についてみていきましょう。

 

飲み物の糖質について

糖質とは炭水化物から食物繊維を取り除いたものの総称です。飲み物に含まれる糖質には砂糖のほかにオリゴ糖・果糖・ブドウ糖などが挙げられます。糖質としてエネルギーの元になると同時に、虫歯菌のえさにもなってしまうため注意が必要です。

 

炭酸飲料

炭酸飲料は、炭酸と糖分、その他果汁や栄養素などが含まれた飲料です。100mlあたりに約10g前後の糖質が含まれており、「ゼロカロリー」「糖質ゼロ」とうたっている商品でもスティックシュガー1本程度の糖質は含まれていといわれています。

 

乳酸菌飲料

乳酸菌飲料は炭酸飲料よりも糖質が多く含まれ、100mlに約16g程度の糖質が甘味として加えられているとされています。虫歯になりやすい飲み物のため、虫歯になりやすい方は摂取量や摂取頻度、タイミングに注意しましょう。

 

スポーツ飲料

スポーツ飲料は500mlあたりに約20g以上の糖質が含まれているといわれています。100mlにすると約4gほどですが、スティックシュガー1本が約3g弱ですから、わずか100mlを摂取してもスティックシュガー1本分の砂糖は口にしていることになります。

 

果汁100%ジュース

果汁100%ジュースは、果物に含まれる果汁を使用した飲料です。果汁には「果糖」と呼ばれる糖分の一種が含まれており、100mlあたりの糖質は約10〜15gとされています。スティックシュガーにすると3本分以上もの糖分が含まれています。

 

pH値が高い飲み物

pH値とは、酸やアルカリの濃度を表す値です。口にしたものに含まれる糖質は分解されて酸に変わるため、完全に糖質を含んでいないもの以外は、何かを口にすると徐々に酸性に傾く仕組みになっています。

や飲料には、あとから分解されて口の中が酸性になるものと、それ自体が元から酸性のものがあります。歯のエナメル質は酸性の状態で溶けやすくなるため、「よく甘いものを食べる人」「口の中をケアしておらずずっと口腔内が酸性の人」は、虫歯にとって「苦労せずに歯を住み家にできる環境」となるのです。

また、pHが低い酸性の食べ物や飲み物ほど虫歯になりやすいとされています。元から酸性のものを飲んだり食べたりすると、虫歯のリスクが上がっていきます。

たとえば、日本酒は米から作られているアルコール飲料であり、pHは4.0程度。歯のエナメル質はpHが5.5以下になると溶けていくため、お酒を「ながら飲み」「ちびちび飲み」すると、うがいや歯磨きをしなければお口の中はずっと酸性のままの状態に。

虫歯菌の活動を抑えるには、糖質の量や飲食のタイミングのほかに、酸性や糖質のものを口に入れている時間も重要なのです。

 

虫歯になりにくい飲み物

虫歯になりにくい飲み物は、pHが5.5以上であり糖質の含まれていないものになります。詳しくみていきましょう。

 

一切糖質が含まれていない水は、pHが7.0前後のため安心して飲める飲料です。糖質が含まれていないということはカロリーも完全に0のため、ダイエット中の飲料におすすめです。

【関連記事】冷たい水がしみる原因は知覚過敏?虫歯や歯周病との違いと予防方法

 

緑茶

緑茶のpHは6.0前後で、こちらも水のように飲める飲料です。紅茶の場合はpH5.5程度、コーヒーはpH5.7程度ですから、それよりも酸性に傾きにくい飲料といえるでしょう。

 

虫歯になりにくい食べ物

虫歯を作らないためには糖質が含まれていないものが重要ですが、糖質以外の栄養素が豊富な食品にも、虫歯予防に役立つものがあります。

 

カルシウムが含まれる食べ物

カルシウムは、歯を作っている象牙質の主要な成分です。カルシウムを摂取しなければ象牙質はもちろん、骨やその他の組織が貧弱になってしまいます。虫歯菌に負けない強い歯を作るには、カルシウムを含むものを口にしましょう。

カルシウムは川魚や牛乳・チーズなどの乳製品、納豆や木綿豆腐に含まれています。

 

ビタミンAが含まれる食べ物

カルシウムはミネラル類の一種ですが、それだけを摂り続けてもすぐに歯や骨が健康になるわけではありません。必ずミネラルはビタミン類とセットで摂取しなければなりません。

ビタミンAは、歯のエナメル質・象牙質の形成に関わり、強化してくれる成分です。卵黄・ほうれん草・にんじん・かぼちゃ・春菊に多く含まれています。

 

ビタミンCが含まれる食べ物

ビタミンCは、ビタミンAやEとあわせて「ビタミンACE(エース)」と呼ばれる重要な栄養素の一種です。高い抗酸化作用を持ち、カルシウムと結びつくと歯を強くしてくれます。歯ぐきにとっても重要な栄養素で、歯周病や歯ぐきの出血を予防します。

ビタミンCは緑黄色野菜に多く含まれていますが、キウイ・いちご・グレープフルーツのような果物からも摂取できます。

 

フッ素が含まれる食べ物

フッ素は歯科クリニックでも治療に使われている成分で、歯みがき粉にもフッ素を配合しているものがみられます。歯のエナメル質の再形成に役立つ成分で、自然の食べ物にも存在しています。

身近な食材では緑茶(浸出液)・紅茶・味噌・りんご・牛肉・いわし・大根など。バランス良く摂取して、ビタミンA・Cやカルシウムも同時に摂取しましょう。

【関連記事】虫歯は歯磨き粉で予防できる!予防効果の高い選び方の4つのポイント

 

飲み物・食べ物に関する虫歯の予防方法

飲み物・食べ物に関する虫歯の予防方法についても詳しくみていきましょう。

 

砂糖を多く含む食べ物は控える

砂糖を多く含む食べ物や飲み物は、菌によって分解され口の中を酸性にします。飲食の後、すぐに歯みがきやマウスウォッシュができない環境にある場合は、たくさん摂るのは控えたいところです。

 

就寝30分前は飲食を控える

眠りについたあとの口の中は無防備な状態です。だ液が少なく酸性の口の中は細菌がもっとも繁殖しやすい環境ですから、就寝の30分前に歯を磨き終えておき、その後フロスやマウスウォッシュ、フッ素の塗布を行って清潔な状態に保ちましょう。

【関連記事】歯磨きをしても虫歯になる4つの理由と虫歯を予防するための方法

 

虫歯になりにくい食べ物を選ぶ

虫歯の予防には、酸性になりにくいアルカリ性の食べ物や飲み物がおすすめです。栄養価が高くビタミンA・C・カルシウムが含まれている食材を選んでみてください。

【関連記事】虫歯になりやすい歯・虫歯になりやすい場所と効果的な予防方法3選

 

普段の食事や食生活から虫歯を予防

今回は、飲み物・食べ物から虫歯を予防する方法について、糖質との関係を踏まえて紹介しました。虫歯菌は糖分をえさとして増殖するため、こまめにケアを行い口の中を酸性にしないように注意が必要です。

毎日の食事についても、砂糖を多く含んでいるものは摂取量や摂取のタイミングに注意しましょう。就寝前は甘いものはもちろん、水や糖分の一切含まれていないお茶など以外は摂らないようにして、口の中を清潔に。

普段の生活を見直し、定期検診やクリーニングを心掛けることで、虫歯以外の歯周病や着色汚れなどもトータルで予防することができます。ぜひ今日からできる虫歯予防にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

明大前駅のさくら歯科では、虫歯の一般治療、歯科検診からインプラント、口腔外科まで幅広い治療を行っております。

患者様1人1人に真剣に向き合い、来院して良かったと思われるよう日々治療に励んでいます。

また、駅から徒歩1分という立地と、急な歯の痛みによる当日アポも承っておりますので、明大前駅の歯医者ならさくら歯科へご連絡ください。

コラム監修者

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横山弘継

役職 理事長

略歴

  • 1995年 明海大学歯学部 卒業
  • 1995年~井上歯科医院 勤務
  • キヌタ歯科医院 勤務
  • 1999年 さくら歯科 開業

実績

20年前からインプラント治療に着目。
現在地方からインプラント治療で通院の患者様も多く年間多くのインプラント治療を行っています。
10年程前から審美治療にも着目しセラミック矯正など審美治療にも力をいれている。