差し歯とインプラントの違いとは?治療方法・流れ・費用の目安も紹介
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歯を失ってしまった方は、元の歯の代わりとして入れ歯や差し歯といった方法を選ぶことになります。差し歯は保険適用の対象となる代表的な治療ですが、差し歯よりもさらに強くものを噛めるインプラント治療にも注目が集まっています。

 

この記事では、差し歯とインプラントの違いを中心に、それぞれの治療の特徴と治療の手順を紹介します。費用の相場や歯としての寿命、保険適用の対象か否かといった点も含めて、ぜひ参考にしてください。

インプラントと差し歯の違い

インプラントと差し歯は、それぞれ人工の歯として使用するために行われる治療方法です。

 

インプラントは歯根を失った方でも受けられる施術ですが、差し歯は残存している歯周組織のうち、歯根(歯の根っこ部分)がしっかりと残っていなければなりません。

 

ここからは、それぞれの治療期間・費用の目安・寿命・メンテナンス方法・見た目や審美性について確認していきましょう。

治療期間

差し歯の治療は、歯根が完全に残っており歯を支えられる状態の場合に適用されます。通院回数の目安は2〜4回ほどで、差し歯を作成する期間がかかるため、全体の治療期間としては数週間~2ヶ月程度です。

 

保険適用の治療のため、寿命がきたあとは新しい差し歯に取り替える必要があります。寿命が来るまでの目安は約7〜10年です。

 

インプラントは、完全に歯根を失った方のための治療です。重度の虫歯や事故などで歯と歯周組織が完全になくなった部分の顎の骨に人工歯根であるインプラント体を埋め込んで、その上に接続部と上部構造を繋げていきます。

 

通院回数の目安はカウンセリング・検査・治療・アフターケアを含めて6回以上です。インプラントの埋め込みを行う顎の骨が不足している場合は、骨造成や骨移植手術を実施するため、さらに治療回数が多くなります。全体の治療期間は手術の回数にもよりますが、約6ヶ月〜1年です。

 

保険適用外の治療ですが、インプラント体と上部構造を繋げる部品に緩みが出たときは再度締め直しをしなければなりません。

費用

差し歯は基本的に保険適用の治療となるため、約3,000円〜1万円の費用が目安です。治療費は自己負担の比率によって変わるため、1割の方はもっとも治療費が安くなります。

 

インプラントは保険適用対象外(2024年1月時点)の治療であり、歯1本あたり約30〜50万円が目安です。この費用の中には検査代・手術費・インプラントの材料費などが含まれていますが、クリニックによって料金体系が異なる場合もあります。

 

インプラントの前に骨造成・骨移植を行う場合は、歯1本あたり約3〜20万円前後の費用がかかります(クリニックによって異なる)。

 

治療にかかる費用の目安は以下のとおりです。

 

【インプラント治療にかかる費用の目安】

  • インプラント代(本体):30万円〜
  • 検査代:1万円〜
  • 骨造成:5万円〜
  • メンテナンス代:実費(数千円〜1万円程度)

※上記の価格は目安(一例)です。

 

関連記事>>インプラントの費用が保険適用になる2つのケースと費用を抑える方法

寿命

差し歯の寿命は、保険適用の歯では7〜10年程度となります。ただし、金属が含まれていて頑丈なメタルボンド素材やゴールド(金歯)などの素材を使った場合は持ちが良くなるため、10年を超えて使い続けられるといわれています。※

 

インプラントの寿命は、一般的に10〜15年程度といわれています。インプラント体が顎の骨と結合するため、簡単にぐらつかず自分の歯のように使い続けられます。ただし、歯周病などで歯を支えられず脱落したり、部品にゆるみが生じたりするケースもあります。

 

※紹介した寿命は目安です。ものを噛む機会が多い方や噛みしめる力が強い方は、目安よりも前に交換のタイミングがやってくる可能性があります。

メンテナンス方法

差し歯は、歯根という土台の上に人工物を被せている状態です。あくまでも被せた状態のため、歯と歯の周りが汚れてくると虫歯や歯周病が起こり、使用期間が長くなるにしたがって金属腐食のリスクも出てきます。

 

歯と差し歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは除去しきれない場合があります。定期的に歯科医院で細かい汚れを取り除き、歯垢や歯石を取り除いて、汚れが挟まっていないかも確認しましょう。

 

インプラントは歯根から埋め込んでいるため、簡単に取り外すことはできません。しかし、歯の汚れをそのままにしていると人工歯の周辺が炎症を起こし、歯周病の症状が出てきてしまいます。差し歯と同じく定期的に歯科医院に通い、汚れを取り除いてください。

 

アバットメントと呼ばれる、インプラント体と上部構造を繋ぐ部品が緩んでいる場合は、アバットメントの締め直しや交換を行います。脱落のおそれがある場合はインプラント体も含めて取り外し、再治療または入れ歯などの治療に変更します。

見た目・審美性

差し歯は患者さん自身の歯根をそのまま使うため、大掛かりな治療の必要がなく治療後も自然な仕上がりが期待できます。ただし、保険適用の素材は変色や黒ずみのおそれがあるため、長期間使用していると元の歯と色味に違いが出てくる可能性があります。

 

インプラントは歯の根元から人工物に置き換える治療で、患者さん自身の天然歯と同じように機能します。

インプラント治療の特徴

インプラントは、歯根まで完全に失った方が受ける治療です。保険適用外でも、差し歯や入れ歯より取れにくく自然な噛みごたえの歯が手に入ります。ここからは、インプラント治療のメリット・デメリットをチェックしていきましょう。

メリット

インプラント治療のメリットは以下のとおりです。

 

【インプラント治療のメリット】

歯の機能に関するメリット

  • 歯根からしっかりと固定できる
  • 咀嚼機能にすぐれており噛みやすい

負担軽減に関するメリット

  • 簡単に外れないためストレスが少ない
  • 取り外して洗浄する必要がない

他の歯や歯周組織へのメリット

  • しっかり噛めるため骨が痩せにくい
  • 他の歯にかかる負担が減らせる
  • 健康な歯を削る必要がない

 

インプラントは歯根から強固に歯を固定できるので、咀嚼がしやすく取り外す必要がありません。

 

ものをしっかり噛めるので骨が弱りにくく、天然歯と遜色のない噛み心地が手に入ります。上部構造の素材にこだわることでナチュラルな色合いの歯に仕上げられ、審美性にもすぐれています。

デメリット

インプラントのデメリットとしては、「治療期間が比較的長い」「保険適用外のため高額になりやすい」点が挙げられます。治療期間・費用については歯科医院とよく相談し、入れ歯など他の治療方法も含めて検討しましょう。

 

関連記事>>インプラントのデメリット・メリットと費用を抑えるための方法

 

差し歯治療の特徴

差し歯は、歯の大部分を失った患者さんの歯根の中に「コア」と呼ばれる接続部と人工歯を差し込む治療です。

 

保険適用の治療ですが、保険適用外で審美性の高い素材に変更することも可能です。差し歯治療のメリット・デメリットをチェックしていきましょう。

メリット

差し歯治療のメリットは以下のとおりです。

 

【差し歯治療のメリット】

 

歯の機能に関するメリット

  • 残った歯根を有効に利用できる
  • 耐久性の高い素材も選べる

負担軽減に関するメリット

  • 大掛かりな治療のリスクがない
  • 取り外して洗浄する必要がない
  • 保険適用のため費用が安い

他の歯や歯周組織へのメリット

  • 骨に穴をあける必要がない
  • 健康な歯を削る必要がない

差し歯は保険が使える治療のため、費用を抑えられる点が大きなメリットです。骨の移植や穴あけの必要がなく、歯肉を切開するような大掛かりな治療を伴わないため、歯周組織にも負担をかけずに人工歯を使用できます。

 

安い素材の人工歯は寿命が短くなりやすいデメリットがありますが、生体親和性が高いジルコニアセラミックのような素材(保険適用外)を選べば、耐久性や審美性を向上させた見た目が手に入ります。

デメリット

差し歯のデメリットとして、歯根や骨の状態が悪いとぐらついてしまうおそれがあります。また、使い続けているうちに変色や脱落のリスクも高まります。患者さん自身の歯根を活かした治療のため、虫歯や歯周病にも注意が必要です。

インプラント治療と差し歯治療の手順

次に、インプラント治療と差し歯治療の手順についてみていきましょう。

インプラント治療の流れ

インプラント治療は、歯根があった部分の歯肉の奥に穴を開けることから、事前にカウンセリング・検査を実施します。結果に基づいてインプラント体の埋入位置を確認し、麻酔をかけて骨まで穴を開けます。

 

穴が開いたら、その中にインプラント体を埋め込んでいきます。顎の骨とインプラント体が結合するまで、数ヶ月程度安静にして待機してから、再度歯肉を切開してインプラント体の上にアバットメント(支台)を設置します。

 

アバットメントが設置できたら、その上に上部構造と呼ばれる歯の役割を果たす被せ物を作成し、上に被せて完成です。

 

治療後は定期的なメンテナンスでインプラントのぐらつきや嚙みあわせを確認し、歯周病にも注意してお口の中をきれいに保ちましょう。

差し歯治療の流れ

差し歯治療では、まず土台となる患者さんの歯根の中をきれいに洗浄します。きれいになった歯根の中に消毒薬などの薬剤を詰めて、コアと呼ばれる土台を差し込みます。

 

コアが設置されたらその上に歯の表面部分の役割を果たす被せ物を作成し、上に被せて完成です。

 

コアの強度や審美性によっては、差し歯を使い続けているうちに歯から透けて見えるおそれもあるため、使用する素材については事前によく相談し、選ぶことをおすすめします。

 

治療後は虫歯と歯周病を予防する必要があります。こまめな歯磨きやフロス、歯科医院での定期検診とクリーニングでお口の中をきれいに保ちましょう。

歯のコンディションに応じた治療方法を選ぶ

今回は、差し歯とインプラントの治療方法や流れ、費用の目安について紹介しました。

 

差し歯は歯根がある方へ、インプラントは歯根も含めてすべて歯を失った方のために行われる治療のため、お口の中の状態に合った方法を選択することが大切です。

 

健康に自分の歯を使い続けるために、人工歯を用いた治療の内容や流れをぜひ確認し、比較検討に役立ててください。

 

明大前駅のさくら歯科では、患者様の状況に合わせた治療を提案させていただきます。ぜひお気軽にお立ち寄りください。

 

さくら歯科では治療にあたっての不安や疑問に対して丁寧にお答えいたします。ぜひカウンセリングにて、不安に思われていることをご相談ください。

 

また、駅から徒歩1分という立地と、急な歯の痛みによる当日アポも承っておりますので、明大前駅のインプラント治療ならさくら歯科へご連絡ください。

コラム監修者

監修者の写真

横山弘継

役職 理事長

略歴

  • 1995年 明海大学歯学部 卒業
  • 1995年~井上歯科医院 勤務
  • キヌタ歯科医院 勤務
  • 1999年 さくら歯科 開業

実績

20年前からインプラント治療に着目。
現在地方からインプラント治療で通院の患者様も多く年間多くのインプラント治療を行っています。
10年程前から審美治療にも着目しセラミック矯正など審美治療にも力をいれている。