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自宅でできる歯周病の治し方は?セルフケア10選も紹介

歯周病

歯ぐきからの出血や腫れが気になり、歯周病を自宅で治したいと考えている方も多いのではないでしょうか。歯ぐきの腫れや出血が気になっていても、仕事や家事の合間に歯科へ行く時間を確保するのは簡単ではありません。

 

本記事では、歯科医院に行く前に自宅で取り組めるセルフケア10選と、専門治療が必要になるラインを解説します。今日からできるシンプルな習慣で歯と歯ぐきを守り、健康的な口元を手に入れてください。

歯周病は自宅で治せる?

歯周病を自宅だけで治したいと考える方は多いですが、残念ながら完治はできません。歯周病の原因である歯石や歯周ポケット内の細菌は、専門的な器具や技術がなければ除去できないからです。しかし、症状の進行を抑え、初期段階であれば改善することは可能です。

 

ここでは、以下3つのポイントを解説します。

 

  • 歯石除去は歯科医院でしかできない
  • 歯周ポケットの改善には専門治療が必須
  • 進行を止めることは自宅でもできる

 

正しい知識を持って、自宅ケアと歯科治療を上手に組み合わせることが大切です。

 

歯石除去は歯科医院でしかできない

歯石は、歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウムと結合して固まったものです。歯ブラシでは取れないほど硬く、歯と歯ぐきの境目にこびりついています。歯石の除去は、歯科医院で専門的な器具と技術がなければできません。ご自身で除去しようとすると、歯や歯ぐきを傷つける危険があるため行わないでください。

 

歯科医院では、超音波スケーラーという専門器具を使用します。振動と水流で歯石を砕きながら取り除くため、歯を傷つける心配もありません。歯科医師や歯科衛生士は歯石の付着場所を正確に把握し、見えない部分の歯石も確実に除去します。

 

歯周ポケットの改善には専門治療が必須

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの間の溝のことです。健康な状態では1〜3mm程度ですが、歯周病が進行すると4mm以上の深さになります。この深い溝には歯ブラシの毛先が届かず、細菌が繁殖しやすい環境となっています。

 

歯科医院では、ルートプレーニングという治療で歯周ポケット内を清掃。歯の根元に付着した歯石や汚染物質を除去し、歯根面を滑らかにする処置です。重度の場合は、歯周外科手術で歯ぐきを切開し、直接歯根を清掃することもあります。

 

これらの専門的な治療により、歯周ポケットが浅くなり、歯ぐきが引き締まってきます。自宅ケアだけでは、このような根本的な改善は期待できません。

 

進行を止めることは自宅でもできる

歯周病の完治は難しくても、進行を抑えることは自宅ケアで十分可能です。毎日の正しい歯磨きで歯垢を除去し、細菌の増殖を防ぐことが基本となります。とくに歯と歯ぐきの境目を意識して磨くことで、歯周ポケットの入り口をきれいに保てます。

 

また、生活習慣の改善も重要な要素です。バランスのよい食事で免疫力を高め、十分な睡眠で体の回復力を保ちます。喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因なので、禁煙も効果的です。これらの自宅ケアを継続することで、歯科治療の効果を維持し、歯周病の進行を最小限に抑えられます。

 

関連記事>>歯周病の初期症状とは?症状に気づいたときの対処法や放置するリスクを解説

 

自宅でできる歯周病ケア10選

歯周病の進行を抑えるためには、毎日の地道なケアが欠かせません。歯科医院での治療と並行して、自宅でのセルフケアを充実させることで、症状の改善や再発防止につながります。以下10個の方法を、日常生活に取り入れましょう。

 

  • 歯周ポケットを意識して歯を磨く
  • 就寝前はとくに丁寧な歯磨きを心がける
  • 出血しても歯磨きをやさしく行う
  • 毎月1回新しい歯ブラシに変える
  • デンタルフロスや歯間ブラシを使用する
  • 洗口液やうがい薬を使用する
  • 歯周病用の歯磨き粉を選ぶ
  • 甘いものを控えて歯周病菌を減らす
  • 食事や睡眠を改善して免疫力を高める
  • 禁煙する

 

これらを組み合わせることで、より効果的な歯周病ケアが実現できます。

 

歯周ポケットを意識して歯を磨く

歯周病ケアでもっとも大切なのは、歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨くことです。歯ブラシを45度の角度で当て、歯周ポケットの入り口に毛先を入れ込むようにします。力を入れすぎず、小刻みに振動させるように動かすのがコツです。

 

1本の歯につき20回程度ブラシを動かし、全体で3分以上かけて磨きます。奥歯の裏側や歯並びが悪い部分はとくに念入りに行いましょう。歯磨き粉は少量で十分で、泡立ちすぎると磨いた気になってしまうため注意が必要です。鏡を見ながら、歯ブラシの毛先が正しい位置に当たっているか確認しながら磨くと効果的です。

 

就寝前はとくに丁寧な歯磨きを心がける

寝ている間は唾液の分泌が減り、口の中の細菌がもっとも増殖しやすい時間帯です。そのため、就寝前の歯磨きは1日の中でもっとも重要なケアとなります。夕食後すぐではなく、寝る直前に磨くことで、細菌の栄養となる食べかすを除去できます。

 

時間をかけて丁寧に磨き、歯間ブラシやデンタルフロスも併用しましょう。磨き終わったら、舌で歯の表面を触ってツルツルになっているか確認。ザラザラした感触が残っている場合は、その部分をもう一度磨き直します。就寝前のケアを徹底することで、朝起きたときの口臭や不快感も軽減でき、歯周病の進行を効果的に抑制できます。

出血しても歯磨きをやさしく行う

歯ぐきから出血すると歯磨きを避けたくなりますが、これは逆効果です。出血は歯ぐきに炎症がある証拠で、汚れを放置するとさらに悪化。やわらかめの歯ブラシを使い、やさしく丁寧に磨くことで、徐々に出血は減っていきます。

 

最初は出血が気になるかもしれませんが、続けると歯ぐきが引き締まり、出血しにくくなります。磨く際は、歯ぐきをマッサージするような気持ちで行いましょう。出血が1ヶ月以上続く場合は、歯科医院での診察をおすすめします。

 

毎月1回新しい歯ブラシに変える

歯ブラシは使い続けると毛先が開き、清掃効果が大幅に低下します。毛先が広がった歯ブラシでは、歯垢を十分に除去できず、歯周病ケアの効果も半減。見た目には問題なさそうでも、1ヶ月使用した歯ブラシは細菌が繁殖している可能性があります。

 

毎月1日を「歯ブラシ交換の日」と決めておくと忘れずにすむでしょう。歯ブラシを後ろから見て、毛先がヘッドからはみ出して見える場合は、1ヶ月経っていなくても交換時期です。新しい歯ブラシは少ない力で効率的に汚れを落とせます。歯周病ケアへの投資と考えれば、月に数百円の出費は決して高くありません。

 

デンタルフロスや歯間ブラシを使用する

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを完璧に除去できません。残りを取り除くには、デンタルフロスや歯間ブラシが必要です。歯周病は歯間から進行することが多いため、これらの補助清掃用具は欠かせません。

 

デンタルフロスは、歯と歯が密着している部分に使います。Y字型のホルダー付きフロスなら、奥歯も簡単に清掃できるでしょう。歯間ブラシは、歯ぐきが下がって隙間ができた部分に適しています。サイズは無理なく入る太さを選び、できれば歯科医院で適切なサイズを確認してもらいましょう。歯間に挿入したら2〜3回やさしく動かします。最初は面倒に感じるかもしれませんが、慣れれば2〜3分で終わります。

 

洗口液やうがい薬を使用する

洗口液は歯磨きの仕上げとして使うと、口の中全体を殺菌できます。歯ブラシが届きにくい部分の細菌も減らせるため、歯周病予防に役立ちます。ただし、洗口液だけで歯周病が治ることはなく、あくまで補助的な役割と考えましょう。

 

歯磨き直後の使用は、歯磨き粉のフッ素効果を減少させる可能性があるため、避けてください。朝の歯磨き後に使えば、日中の口臭予防にもなります。歯科医院で処方される薬用洗口液もありますので、症状に合わせて歯科医師に相談してください。

 

歯周病用の歯磨き粉を選ぶ

歯周病ケアには、薬用成分が配合された歯磨き粉を選ぶことが重要です。殺菌成分のIPMP(イソプロピルメチルフェノール)やCPC(塩化セチルピリジニウム)は、歯周病菌を効果的に除去します。また、グリチルリチン酸などの抗炎症成分は、歯ぐきの腫れや出血を抑える効果があります。

 

パッケージに「医薬部外品」「薬用」と記載されているものを選びましょう。研磨剤が少ないタイプは、敏感な歯ぐきにもやさしく使えます。ただし、歯磨き粉はあくまで補助的な役割で、正しいブラッシングがもっとも大切です。

 

甘いものを控えて歯周病菌を減らす

砂糖は歯周病菌の大好物で、甘いものを頻繁に食べると細菌が急速に増殖します。とくに、飴やガムなど長時間口に含むものは要注意です。砂糖が口の中に残る時間が長いほど、細菌が酸を作り出し、歯や歯ぐきにダメージを与えます。

 

どうしても甘いものが欲しいときは、キシリトール入りのガムがおすすめです。また、清涼飲料水やスポーツドリンクにも大量の砂糖が含まれているため、水やお茶に置き換えることで歯周病リスクを下げられます。

 

食事や睡眠を改善して免疫力を高める

歯周病は細菌感染症なので、体の免疫力が低下すると症状が悪化しやすくなります。バランスのよい食事で必要な栄養素を摂取し、十分な睡眠で体を回復させることが大切です。とくにビタミンCは歯ぐきの健康に欠かせない栄養素で、野菜や果物から積極的に摂りましょう。

 

睡眠不足は免疫力を大幅に低下させます。最低でも6〜7時間の睡眠を確保し、規則正しい生活リズムを心がけてください。ストレスも免疫力を下げる要因なので、適度な運動や趣味の時間を作ってリフレッシュすることもおすすめです。体調がよいときは歯ぐきの状態も安定しやすく、歯周病治療の効果も上がりやすくなります。

 

禁煙する

喫煙は歯周病を悪化させる最大のリスク要因の1つです。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯ぐきへの血流を悪くします。その結果、歯ぐきの抵抗力が低下し、歯周病菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。

 

禁煙すると歯ぐきの血流が改善し始め、歯ぐきの色がピンク色に変わり、出血も減少。歯周病治療の効果も格段に上がるため、治療を機に禁煙にチャレンジする価値は十分にあります。禁煙外来を利用すれば、医師のサポートを受けながら無理なく禁煙できます。歯の健康だけでなく、全身の健康のためにも禁煙は最良の選択です。

 

参考資料:歯周病と煙草の関係

 

まとめ:歯周病は歯科医院へ早めに受診しましょう

歯周病は自宅ケアだけでは完治が難しく、放置すると歯を失うリスクがあります。症状を感じたら、早めに歯科医院で適切な診断と治療を受けることが大切です。

 

さくら歯科では、日本歯周病学会会員の院長をはじめ、各分野に精通した歯科医師が在籍しています。専門のカウンセラーによる無料カウンセリングで、治療への不安や疑問を解消してから治療を始められるので安心です。


平日は18時30分まで、土曜日も17時まで診療しているため、仕事帰りや週末にも通院できます。初診当日予約も可能ですので、歯ぐきの腫れや出血が気になる方は、お気軽にご相談ください。Web予約は24時間受付、お電話(03-3328-1116)でも予約を承っています。

コラム監修者

監修者の写真

横山弘継

役職 理事長

略歴

  • 1995年 明海大学歯学部 卒業
  • 1995年~井上歯科医院 勤務
  • キヌタ歯科医院 勤務
  • 1999年 さくら歯科 開業

実績

20年前からインプラント治療に着目。
現在地方からインプラント治療で通院の患者様も多く年間多くのインプラント治療を行っています。
10年程前から審美治療にも着目しセラミック矯正など審美治療にも力をいれている。